知覚過敏と虫歯はどう見極める?チェック方法を解説
2025/07/20

こんにちは、船堀の歯医者、中山歯科医院です。
誰もが一度は「歯の痛み」を経験したことがあるのではないでしょうか。
冷たいものを口にしたときや甘いものを食べたときに感じるズキズキまたはキーンとした痛みは、ときに睡眠や食事といった日常生活に支障をきたすほど激しくなります。
このような痛みは、虫歯のほか、知覚過敏によっても生じます。
今回は、知覚過敏とはどのような症状で、虫歯とはどう違うのか、歯科医院で行われる治療法や対処法にはどのようなものがあるのかを解説します。
知覚過敏とは

知覚過敏とは、歯の象牙質が露出することで冷たいものや甘いものに敏感に反応するようになり、痛みを感じる状態を指します。
象牙質は、歯を覆うエナメル質の内側に位置しており、外部からの刺激を神経に伝える役割を担っています。
そのため、象牙質が露出すると普段なら感じない刺激に対しても痛みを感じやすくなります。
象牙質の露出はさまざまな原因によって引き起こされますが、主な原因の一つに加齢や過度なブラッシングによる歯肉の退縮があります。
また、酸性の飲食物を頻繁に摂取することによってエナメル質が溶けてしまうことも、象牙質が露出する要因の一つです。
知覚過敏の痛みの特徴
知覚過敏の痛みは、外部から特定の刺激が加わったときにのみ感じられるのが特徴です。
健康な歯であっても、急激な温度変化など強い刺激にさらされると痛みを感じることがありますが、知覚過敏は歯ブラシの摩擦や食事中の刺激といった、より日常的な刺激によっても痛みが生じます。
また、知覚過敏の痛みは短時間で消えます。
刺激がなくなれば2〜3秒以内に痛みも収まることが多く、長くても1分以内には消えるのが特徴です。
知覚過敏かどうかを見極めるセルフチェック方法
痛みが続く時間
知覚過敏か虫歯かをチェックするためには、まず痛みが続く時間を確認するようにしましょう。
虫歯による痛みは持続的ですが、知覚過敏の場合は冷たいものや甘いものなど特定のものに触れたときにだけ痛みを感じます。
痛みが長時間続くことはなく、すぐに収まるのが一般的です。
痛みの度合いの変化
虫歯の場合、初期は軽い痛みですが、時間の経過とともに痛みが増していきます。
これは、虫歯の侵食する範囲が、徐々に歯の神経に近くなっていくためです。
これに対し、基本的に知覚過敏の痛みは増加することはなく、一定の痛みが続きます。
見た目
虫歯になると歯が黒や茶色に変色したり、穴ができたりします。
対して、知覚過敏の場合は歯ぐきが下がったり、歯が擦り減ったりして象牙質が露出します。
そのため、色の変化は虫歯、形の変化は知覚過敏と考えると判断しやすくなります。
歯をたたいた時の痛み
痛みやしみる場所の歯を、指先や歯ブラシのヘッドで軽く叩いてみるのも一つの判断方法です。
叩いたときに歯の奥まで響くような痛みが走る場合は虫歯、響かない場合は知覚過敏の可能性があります。
ただし、むやみに歯に触ると炎症や雑菌の繁殖を助長しかねません。触った後にはうがいや歯磨きをするようにしましょう。
甘い食べ物・飲み物による痛み
砂糖を含む飲み物や食べ物を摂取した際に痛みや違和感がある場合、知覚過敏の可能性があります。
歯科医院での知覚過敏の検査方法
歯科医院では、まずは問診により痛みの発生状況や種類、程度を確認したうえで、虫歯ができていないか、歯肉退縮は起こっていないかなどを確かめます。
歯を磨いたり、水や風を当てたりして反応を確認することもあります。
さらに、レントゲン撮影によって虫歯の有無や神経の有無、歯周組織や顎関節の状態を詳細にチェックすることで、その痛みが虫歯によって発生しているのか、知覚過敏によって発生しているのかを見極めます。
知覚過敏の治療法
薬剤の塗布・コーティング

知覚過敏の治療法の一つが薬剤の塗布です。
象牙質が露出している部分に対してフッ化物を含む薬剤を塗布することで外部からの刺激を抑え、症状を軽減します。
レジンや歯科用セメントなどを使ってコーティングすることもあります。
この方法は時間とともに擦り減ることがあるため、定期的なチェックとメンテナンスが必要ですが、その間に再石灰化が進めば知覚過敏の症状改善が期待できます。
マウスピースの使用

歯ぎしりが知覚過敏の原因と考えられる場合は、ナイトガード(マウスピース)を使用して歯の保護を行います。
同様に、かみ合わせが悪い場合は咬合調整が行われることもあります。
歯周病の治療

歯周病は歯肉の退縮を引き起こして知覚過敏を悪化させるため、歯周病が知覚過敏の原因となっている場合には、歯石や歯垢のクリーニングといった歯周病治療が行われます。
もし歯石の除去によって一時的に痛みが悪化しても、長期的には歯周病の改善につながり、知覚過敏も次第に緩和されていきます。
詰め物による保護

歯の根元が大きく削れている場合には、コンポジットレジンという歯科用プラスチックを使用して、露出している部分を覆います。
これにより、知覚過敏の症状を軽減するとともに汚れの溜まりやすさを緩和します。
神経を抜く治療
さまざまな治療法を試しても知覚過敏の改善が見られない場合、最終手段として神経を抜くことがあります。
神経を抜くことで痛み軽減されますが、歯の色が変わったり、脆くなったり、歯周疾患の進行が早まるリスクがあります。
自宅でできる知覚過敏の対処法

市販されている知覚過敏用歯磨き粉の使用は、象牙細管への刺激を抑制する作用があります。
ただし、1〜2週間使用しても変化が見られない場合は虫歯や歯周病の可能性もあるため、歯科医院で診てもらうようにしましょう。
また、ブラッシングの方法を変えることも、痛みの緩和につながる可能性があります。
強い力で磨くのではなく、毛先が広がらない程度の力で優しく磨くようにしましょう。
まとめ

知覚過敏と虫歯の症状は、ところどころ似ています。
症状の特徴や痛みの感じ方、歯の見た目などを確認することで、ある程度のセルフチェックはできますが、最終的には歯科医師の診断が重要です。
自己判断が間違っていて症状を悪化させてしまったということがないように、痛みなどの症状が出た場合には早めに歯科医院で診断を受けるようにしましょう。
中山歯科医院:https://w-nakayama.com/
〒132-0025 東京都江戸川区松江1−1−3
電話:03-3651-0250
電車でお越しの方:
都営新宿線線船堀駅 バス5分
JR線新小岩駅 バス8分